メインアカウントの方で感想をひとしきり書いたのですが、
enmotakenawa777.hatenablog.com
裏アカ(裏とは言ってない)こちらでは、さらに突っ込んだ感想を書きたいと思います。
動きの妙
ゲームとアニメの両方に詳しい方から、かなりディープな見解を聞いた。
マリオ・ザ・ムービーの動きは一般的なアニメの文法というより、どちらかというとゲーム的なのだそうです。正直私はそこまで気が付かなかったので、もう一回観てみないと「そういう場面がある」のか、「通して全般そう」なのか、ちょっと分からないのですけれど。
一般的なアニメの動きとは、SHIROBAKOあたりを観た方はわかるかもしれませんが、「予備動作」というものが入るんですね。例えば前方に向かって拳でパンチする前に、腕や上体をグッと後ろに引くなどの動きです。これがないと説得力に欠ける動きになるとされており、ディズニーが体系化しています。
一方、「ゲーム的な動き」とは、これがほぼない状態です。なぜなら、ボタンを押した時、すぐにアクションに入らないとプレイヤーが気持ち良くないからです。マリオの映画はこっちに寄せているというのですね。
これはちょっと驚きですね。細かすぎる。私が“向こうの世界”に異世界感を強く感じたのも、もしかしたらこのせいかもしれません。もう一回観るかたは是非確認してみてください。というか私も観に行きたくなった。
キッズムービーとしてのマリオ
キッズムービーが大好きです。「園児がどうか?」において優れたアニメ作品ほど気持ちのいいものはない。スカッとします。大人なんてクソだ。
例えば私はドリームワークスの『マダガスカル3』がそれだと思っておりまして、これは「とりわけ3」なんですけれども、3をいきなり観てくれてかまいません。ペラペラ喋る動物たちが愉快な仲間と信じられない大冒険をする、アニメーションというダイナミックレンジ。おお、もう。
マダガスカルは世界中の親御さんをウンザリさせたと言われています。動物たちの楽しい動きとともに挿入された劇中歌に、子供たちが夢中になり、自宅で毎秒かけては踊り狂うからです。「その曲をかけるのはもうやめてくれ!」と、しかし子供たちのためにそれを貫いたのが『マダガスカル』というシリーズだったと思っている。
で、大人が観て、技術的にどうかというと、こちらもやはり相当な工夫が凝らされていて、3は序盤のモナコのレースシーンだけで数年かけたと読みましたが、いや、本当にそれだけの凄さが感じられると思う。また、ドラマ内容においても、動物たちが自分の環境やルーツ探しを経て、「動物が動物としての」生きる道をみつけるという、私はこれはとんでもないポリコレ作品だとも捉えています。もはや人間とか関係ないから。
ドリームワークスはストーリーボードの美しい作品が多く、ご覧になったことがなければ是非おすすめしたいです。日本ではあまり人気がないのですが…(´・_・`)
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また話がそれましたが、キッズムービーとしてのマリオ映画を盛り上げているのが音楽のブライアン・タイラーさんだと思うのです。
これはエンドロールの曲かな? 劇場らしいオーケストラを基調として、とてもいろんな音が盛り込まれています。おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。
ブライアン・タイラーさんは元々ゲームスコアも手がけていますし、ゲームの楽しさを知ってる人だと思うのですよ。動画の概要欄にも「マリオのファンだし、とても楽しかった」というようなことが書かれています。
おまけに、ものすごくいろんな楽器を自分で演奏するらしくて、「やりたがり」なんですよね多分🤔 そうした好奇心に満ち溢れた大人が、圧倒的知識と技術で子供向けを手掛けるのはものすごく重要だと思います。動画の最後、サントラがカセットテープでも出ているらしいのが素晴らしい。
このように、キッズムービーとは、アニメのなかでキャラクターがどういう動きをしているか、どんな音が鳴っているか、そしてそれはノレるものなのかが重要なように思います。大人なんてクソだ(2回目)。
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ドラマ的なことだと、私などはクッパの「幸せになれるはずだった!」というセリフがグッときました。おまえさんざん暴れといてムリだろと観る側は当然思うわけですけど、自らの横暴さを客観視できないカメでも、やっぱり幸せを求めるんだなあ、みたいな。
アナキン・スカイウォーカーの「I hate you!!」に通じるものがある。シンプルだからこそ普遍的です。