音楽ストリーミングサービスSpotifyのお膝元、スウェーデン製作のドラマシリーズ。全6話なので比較的気軽に観られます。いや~おもしろか…ったなあ。ITを舞台にしたドラマ作品はちょこちょこありますけれど、個人的には脚本と演出、映像も大変好みでした。
急ぎで一気に観てしまったんで、あとでもう一回観るかも。
2010年代、パイレート・ベイという音楽の海賊版DLサイトが大流行。後のSpotify創業者、ダニエルも多分にもれずフリーダウンロードで音楽を楽しむエンジニアの青年でした。
Googleに応募するも落とされ、腹いせに検索をクラックするなど、協調性のなさで会社もクビに。実家はあまり余裕のない母子家庭にみえましたが、我の強さか、就職せず、自分の事業を立ち上げようと決意します。
広告サービス(?)が成功し会社を売却。投資パートナーを得て、さらなる事業を興したい…そんなとき、とある再会が彼の運命を決定します。
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原作本があるようで、それはドキュメンタリーなのかな。読んでないのでわかりませんが、おそらくBobbi.Tは架空の人物と思われ?🤔 ただまあ、このBobbiがいることで非常にストーリーがまとまりますね。創業ドラマといっても現実は複雑ですから、「実のところ、あれの主力はこの人物じゃない」とか何とか、ありがちです。
ではノリ重視の感動成功物語として押し進められているかというとそうでもなく、一話ごとに映画『羅生門』のようなかたちで関係人物それぞれの視点・言い分が表現されます。
演出も、静かにリアル感をもった画面で進む第一話から、だんだん思い切った比喩や編集が入り、繰り返される時系列も観ていて飽きない。
野心と技術をもった若者が、あくまで自分たちを主役とし、新しいやり方で新しい世界を作っていこうとする。旧世界など知ったことではない。そうした傲慢とも思える態度は正直インターネットでよくみますが、「海賊版撲滅」を掲げているのでわりと素直に応援できます。
徹底してサービスを良くしようとする技術へのこだわりも観ていて熱が入ります。
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以下、ネタバレしつつ。
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結局、誰が悪いんだ???
定額ストリーミングサービスって登場して結構経つわりに、いまだ収益配分が取り沙汰されますよね…。
私はSpotifyを知った当初から有料会員ですし、無料版も広告が入って、うまく配分されているものだと思っていたのですが、どうも違うようです。料金を支払い続けている者として、アーティストへの還元を裏切らないでほしいのですが。
複雑なのは、Spotify登場以前はパイレート・ベイなどの海賊サイトが本来の収益を落ち込ませていたらしいということです。Spotifyが海賊サイトを駆逐した、少なくともドラマではそうなっています。
しかし、第六話はやっぱり配分されてないじゃないかと。
何なんですかね、レコード会社が悪いんじゃないの? と思ってしまったのですけれど。
しかも、じゃこれを配信してるNetflixはどうなのとか。AppleMusicは大丈夫なんでしょうか。Amazonは違うの? クリエイターと収益配分の問題をSpotify一社に被けるのは、そこだけちょっと広げすぎかなとは思った。
本物のダニエル・エク氏は現在どういったスタンスなのか??
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ドラマにおいてはまた、第6話のBobbiの状況が、第1話のダニエルの実家を思い起こさせてね…。
Bobbiがこんななのに、ダニエルは新しい家建ててんですかね、あれ。「もっとデカくしていい(迫真)」みたいな。母ちゃんのチラシを憂いていた頃を思い出せよダニエル!!!!
Bobbiがアーティストを象徴する存在としてとてもいいんですよね。Janiceさんという、実際もシンガーだそうですが、芽が出てないけれど実力派の役どころ。「こんな人に収益が入らないなんておかしいよ!😭」と、きちんと思わせてくれる素晴らしい歌唱でした。
あんな頑固なヘソ曲がりとも高校からお友達でいてくれてさw いい人だよBobbiは。
まあダニエルも元は悪いやつじゃなかった。
どの回もよかったけど、第4話がよかったな。
えっ、コミュ障に彼女が!? できらぁ!!
途中雲行きがあやしくなって不安になったけど、別れなくてホッとしました。実際も幸せでいてほしいけどなあ。