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『運動脳』がめちゃくちゃ気に入った件

スウェーデンで大ヒットした書籍の日本語版である。元書籍は別タイトルで2018年に刊行されており、加筆修正を経て2022年にリニューアル発売されたのが、この『運動脳』。著者のアンデシュ・ハンセン氏はスウェーデン精神科医とのこと。

これはもう、皆さん是非お手にとられて一度読んでみられたい。私はもう、人体として生きるかぎり、これを知っておかないと損をするくらいに食いついた。

少なくとも、「運動しなきゃなあ」「始めてみたけど、なんかサボっちゃうんだよなあ」という人へは強くモチベーションの向上になるのでオススメである。後者は私である。

「運動」と脳の関係についての書籍で、ここでの「運動」とは、主に(習慣として続けられる程度の)ランニングを指している。指しているのだが、習慣として続けられ、心拍数が適度にあがり、続けられるものなら基本的に何でもよいと思う。

ただし、筋力トレーニングではない。有酸素運動系である。

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私が衝撃を受けたのはストレスのくだりで、脳の扁桃体→HPA軸→コルチゾール分泌→心拍数上昇などのストレス反応、という流れで我々は緊張したりするのだが、この扁桃体というのがバカなのか、自分の司令で出したコルチゾールに反応して、さらにストレス反応を引き起こすらしいのである。ストレスはループし、ストレスがさらにストレスを呼ぶという悪循環。

これが止められないとパニック発作になるのだが、ではどうやって通常止めているかというと、なんと海馬がブレーキ役を担っている。海馬といえば記憶の要である。

海馬の細胞は過度のコルチゾールに晒されると死んでしまうという。なので、あまりに長期間、強いストレスに身を委ねていると記憶力まで危うくなるのである。

なんというか、メンタルヘルス的なものが脳へ物理的な影響を及ぼしているのがショックであったのだが、そういえばPTSD前頭葉が萎縮してるみたいな記事はよく見かける気がする。

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コルチゾールは運動によっても出るのだが(身体的ストレスのため)、運動を習慣づけることによって、結果的に日常でもコルチゾールの分泌量が減るらしい。

ならば、慢性的にストレスを抱えてコルチゾールを出しまくっていれば良いかというとそういうことではない。運動すると海馬細胞が増える回路が発動するのである。よかったね。

他にもめちゃくちゃ良いことがある。前頭葉がなんとか。端折るが、とにかく運動を習慣づけることによって、実際に「ストレスに強くなる」ようだ。

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で、すでにうつ病と診断された人たちはどうなんだ? と。個人的にはあまり無理はしないほうが良いのだろうな~という認識だったのだが、すでにうつ病になった方々にも運動は効くらしいのである。

その効果たるや、ちょっと書籍を読んでほしいのだが、もちろん、本当に軽い散歩からでいい。距離も短くていい。軽い気持ちで、医師と相談しながら、続ける、続けられることが重要だと思う。

一人で習慣づけるのもなかなか大変なので、LINEのオープンチャットなど、報告しあう場所を利用するのもオススメである。私は必ず入っている。

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明るい気持ちで健やかに過ごせるに越したことはない。